これから夏を迎えるという時期ですが、ひと足早く2018年秋冬向けに日本流行色協会が選定したレディスウェアカラーの情報をお伝えします。
最近のファッションは、店頭で直接手に触れるのではなく、ネットやスマホアプリを介して購入することが非常に多くなっています。また不用になった服を簡単に売ることのできるフリマアプリや、所有せずにファッションを楽しむ定額制レンタルファッションの登場など、服への意識が大きく変わってきているといえます。
カラーを選定する会議の中では、ファッションが合理化されるほど、着ることのライブ感やおしゃれをすることの生き生きとした感情がむしろ大切にされるのではないか、という意見が交わされました。そこで、素材の肌ざわりや着心地、デザインの美しさ楽しさ、作り手の思い、服との出会いやエピソードから生まれる会話など、服がもたらす豊かな情感に着目し、それを「PALPITATION パルピテーション(ときめき)」と名付け、今シーズンの全体テーマとしました。カラーは以下3つのグループで選定されています。
Art 芸術、技術
紫系と青系を基調とする、クールで現代的なパレット。現代美術の抽象画や仮想現実の幻想的な映像などを想起させ、現実と非現実の双方に通用するようなイメージです。寒色、特に紫系が注目されています。
Heritage 遺産
古びたタペストリーや壁紙、熟した果実や枯れた植物、ヴィンテージの服、ゴールドや金属の重い質感などを連想させるパレット。長い年月をかけて人から人へ伝承された技術や、昔ながらの手仕事の蓄積など、アナログだからこそ美しい、ものづくりの記憶の色です。
Poetry 詩歌、詩情
ロマンティックで、肌感覚の甘い気分を誘う冬のペールカラー。シルクのランジェリーやカシミアのニットなど、なめらかでつややかな質感。また高機能スポーツ素材に代表されるスポーティでフィジカルなイメージにもふさわしい色です。
|