日本流行色協会(JAFCA)では、レディスやメンズファッション以外のカラーについても提案しています。今回は、プロダクツ商品やインテリアに向けて選定した2021-22年秋冬のカラーを紹介しましょう。
カラーテーマは「Progress My Universeプログレス・マイ・ユニバース(私の世界を進化させる)」。世界的な気候危機、自然環境の破壊がテーマとなっている今、個人が国境や性別、年齢などを超えてつながり、個の能力を発揮して地球の危機に取り組もう、という願いがこめられています。
カラーはこれまで以上にサステナビリティが強く意識されています。また、コロナ禍で心身ともに疲弊している中で、安心感や落ち着きを感じさせる色、自分らしくいられる色がさらに重要さを増しています。カラーは3つのグループで選定されました。
Originate オリジネイト
オリジネイトは起源、由来する、創出するなどという意味を持ちます。生活の中の基調となる色として、グレー系、ブラウン系の柔らかさを感じさせる色で構成しています。
空間での活用/ 非常にスムースで洗練された表面と、石の割り肌や鉄など素材そのままの粗い仕上げの表面を組み合わせる。開口部を大きくとり、太陽光を取り入れる。ウール素材によるこのカラーグループ内での多色使い。
My Neutral マイニュートラル
鎮静でも高揚でもない、自分が自分でいられる空間をつくるための色。自然と楽しさを感じさせるカラーで構成しました。
空間での活用/ 植物の緑や素焼きの陶器の茶色、漆喰調の白でベースをつくり、ブルー、また、ピンク、半透明のオレンジなどをアクセントにして楽しさを演出します。
Deep Forest ディープフォレスト
深い森という意味のカラーグループ。たとえば屋久島の原生林を感じさせるような、しっとりとした空気や神秘を表現するための暗い緑~青緑を基調に構成しています。
空間での活用/ 昔の日本家屋にある、磨きこまれた大黒柱のような黒に近い茶色や、深い藍色、青緑を床に用いる。また、漆のような光沢を持たせた青緑をアクセントに用いてもよいし、壁面の一部に用いてもよいでしょう。
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