カラーコーディネーター検定試験 Club Palette Vol.27
新緑の季節となりました。
CLUB PALETTE も今号より装い新たに、リフレッシュスタートします。
今までの連載に加えて、「色の最前線を歩く」と題した、認定講師によるルポも新連載として加わります。
色彩の現場をビビッドにレポートしたシリーズをお楽しみください。
【INDEX】COLOR TALK:Topix, Color Trivia/カラーの最前線を歩く/IMFORMATION:色とアート,おすすめセミナー情報/プレゼント/検定試験情報/事務局通信
COLOR TALK
TOPICS:時代のムードを色濃く反映しながら繰り返す流行食
80年代初めの「カラス族」の黒/90年代バブル崩壊後の「フレンチカジュアル」の黒/2000年代半ば「プチバブル」の上質感の黒

   色の流行について、周期説が説かれているのを時々目にしますが、実際はどうなのでしょう?
   さまざまな要素があり変化の激しい現在では、絶対的な周期を見つけるのは難しいと思われますが、「流行<はや>る→飽きる」の繰り返しなので、どこかを転換点として変化し、それを繰り返していることは確かです。
   日本流行色協会(JAFCA)では、戦後からの日本の流行色の変遷を今回1冊の本にまとめました。色の変遷を俯瞰し、いくつかの流行のパターンや色の転換点などを年表にしています。たしかに、同じように色が繰り返し登場していますが、実はその都度“性質”が違っているのがわかります。
   たとえば、1980年代以来、度々ヒットしている「黒」を例にあげてみましょう。 
   バブル景気へ向かう80年代初頭に流行った黒は、DCブランドの「カラス族」に代表される、古いものを壊すようなアバンギャルドなムードや、ハイテク機器の台頭に象徴されるモダンさを表すような色でした。
   またバブル崩壊後の90年代初め、低価格志向が強まり、フレンチカジュアルに代表されるような使い回しができる色で、かつおしゃれ感のある便利な色として黒が人気となりました。
   そして2000年代半ば、富裕層が流行語になりプチバブルといわれた時代、上質感、高級感を象徴する色として黒がヒットしました。また質感も含めて高級感を演出したのも特徴でした。
   このように流行色は、時代のムードと密接に関わっていることが、おわかりいただけたと思います。この色が今流行っているのはなぜだろう? と、その背景を考えみると、さらに色が面白くなるかもしれません。

プレゼント

※流行色の変遷をまとめた「日本のファッションカラー100」のプレゼントがあります。下記プレゼント欄を併せてご覧ください。

Color Trivia: 色のよもやま話 No.16
アシッドイエロー    イエローのイメージは、“幸せ”“さわやか”といったポジティブなイメージが中心になります。一面に咲いたひまわりなどは、見ているだけで元気が出ますね。また明度の高いイエローは、「光」を表現する色としても注目されています。
   近年「アシッドイエロー」という色名をよく見かけるようになりました。明るいトーンで少し青みによったものも多いようです。レモンなどの“酸味を感じるイエロー”という意味もありますが、クラブカルチャーでよく使われる、光を感じる、幻覚的な、反逆的なイメージが含まれることが多いようです。それは、ただ天真爛漫な元気さだけではない、ちょっとクセのあるイエローと言えそうです。
   6月に開催されるブラジルサッカーW杯、日本代表のアウェイ用ユニフォームでは、初めて蛍光色のイエローが採用されました。
   ぜひ、“クセもの”として大会で暴れ回ってほしいものです。
カラーの最前線を歩く
桜井輝子 Sakurai Teruko:カラーコーディネーター認定講師(2級・3級)(東京カラーズ株式会社 代表取締役)
企業研修及びカラーコンサルティング、 各種スクールにおける色彩講師や教材開発、 コラムや書籍の執筆など色彩知識を活かして 幅広く活躍中。
認定講師紹介
案内してくださった廣田達夫氏と一緒に
江戸切子館にて(HPはこちらから
江戸切子-色硝子とカッティング熟練の技術-
カラーコーディネーター検定試験1級公式テキスト 「第2分野 商品色彩」の表紙を飾っている江戸切子は、東京都が認定している伝統工芸の一つです。
シリーズ1回目は、カラーコーディネーター認定講師の桜井輝子さんによるレポートです。東京の新名所・スカイツリーのおひざ元であるすみだ江戸切子館(墨田区)を訪ね、廣田達夫氏(廣田硝子株式会社 代表取締役会長)に江戸切子の色についてお話を伺いました。
江戸切子と言えば青や赤というイメージがありますが、この色の由来について教えてください。
   私たちはこの青を「瑠璃<るり>色」または「藍<あい>」と呼び、赤を「紅<べに>」と呼んでいます。これらの色は、ソーダ灰に、主に瑠璃色は酸化コバルト、紅色はセレ二ウム等の硝子原料を加えることにより発色されます。
   原料となる硝子はもともと砂状で、これを1600~2,000℃ぐらいに熱して溶かし、液状の硝子にします。溶かした硝子を成型しその後、冷却炉に入れて徐冷します。それぞれの色によって徐冷方法が異なり、徐冷炉から出たときに初めて本来の瑠璃色・紅色が再現されます。硝子原料と冷却時の温度カーブの按配によって発色が変わってくるのです。
   最近は時代のニーズに合わせて柔らかな色調の切子も生産されていますが、私たちが「金赤」と呼んでいるピンクは、原料に金を混ぜるのでそう言うのですが、紅の硝子よりもさらにゆっくりと、気を遣いながら冷却しなければなりません。暖色系の硝子のほうが、製法は繊細で難しくなりますし、淡いパステル調の色ほど、一定の色を出すのが難しくなります。
記事詳細
認定講師が教える!ワンポイントカラー検定!!

中世ヨーロッパの教会では、高い尖塔をもつゴシック様式の聖堂が建てられ、美しいステンドグラスで装飾が施されました。ガラスの製法は古くから伝えられていましたが、ちょうどこのころから色ガラスの製法が盛んとなり、原料にマンガンやコバルト、銅、セレニウムなどを混合させることで赤・緑・黄・紫色のガラスが生み出されました。

―2級テキストp47掲載「5~15世紀:中世の色彩」―

今回取材させていただいた江戸切子の色も、瑠璃色は主に酸化コバルト、紅色はセレニウム等の硝子原料がソーダ灰に加えられ、加熱して液状になったものを成型して徐冷するという繊細な工程を経て、色が生まれてきます。
認定講師を活用してみませんか?
ショーウインドでの季節感の演出、商品パッケージの企画、ファッションのコーディネートetc.
東商の認定するプロのカラーコーディネーターにおまかせください!
認定講師の依頼の仕方

依頼内容・期間・勤務地・報酬・担当者連絡先を、メールで送信ください。
表題に「認定講師へ仕事依頼」と入力をお忘れなく!
送付先はこちら(palette@tokyo-cci.or.jp)まで。

東商はいただいた内容をそのまま該当地域の登録認定講師へメールいたします。
(その後のやりとりは、認定講師と直接お願いすることになります)

認定講師一覧がご覧になれます。

INFORMATION
色とアート
クロード・モネ:≪ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)≫ 1876年 1951 Purchase Fund 56.147
(左)喜多川歌麿 ≪母子図 たらい遊≫ 江戸時代 享和3(1803)年ごろ William Sturgis Bigelow Collection 11.22154 /(右)メアリー・スティーヴンソン・カサット ≪湯浴み≫1891年ごろ Gift of William Emerson and The Hayden Collection-Charles Henry Hayden Fund 41.806 ※All Photographs©2014 Museum of Fine Arts,Boston.

ボストン美術館~印象派を魅了した日本の美~ 2014.6.28sat→9.15sun 世田谷美術館

   19世紀後半から20世紀初頭にかけて、江戸幕府開国後の日本では交易がさかんになり、多くの美術・工芸品が海外に渡りました。西洋では浮世絵をはじめとする日本美術が大流行し、西洋の美意識に大きな変化をもたらしました。「ジャポニスム」誕生です。
   江戸後期から明治初期にかけての浮世絵においては、多色刷りの技術が開花し、豪華絢爛で極彩色の、あでやかな美しい色づかいを生み出しました。これらが西洋の芸術家の目に触れ、大きなムーブメントを起こしたのです。
   大胆な構図と色づかい、独特の装飾文様…当時のアーティストたちはこぞって、作品のなかにそれらをとり入れています。
   印象派の旗手であったクロード・モネの≪ラ・ジャポネーズ≫もそのひとつです。モネは、浮世絵のコレクターで日本美術の愛好家であったと言われています。
   本展覧会開催にあたり、一部の赤い絵の具に亀裂や剥離が見られることから、修復プロジェクトが立ち上がりました。修復は、絵の具に色を与える顔料分析からスタートしました。
   ヨーロッパでは、18世紀ごろより化学産業が発展し、絵の具に使用される顔料が増え始め、19世紀にはさらに発展を遂げます。モネをはじめとする印象派の画家たちも昔からある絵の具とともに、新しい顔料入りの絵の具を使うようになりました。当時使われた絵の具の顔料分析は修復のプロセスのなかでも重要な作業のひとつでした。
   1年の時を経て、見事に蘇ったモネの最初の妻・カミーユ夫人の美しい姿。額装すると3メートル近くにも及ぶというこの大作は見逃せません。

   また、本展覧会でのみどころは、印象派と浮世絵の競演です。
   印象派の画家たちに影響を与えた浮世絵をはじめとする日本美術と対比して展示されており、たいへんに興味深い企画となっています。

プレゼント

※3名の方に本展覧会の招待券をプレゼント。
詳しくはプレゼント欄を参照ください。

おすすめセミナー情報
2015年秋冬JAFCAカラートレンドセミナー
ライフスタイルデザインとアパレルファッションにおける2015年秋冬のトレンドを、解説します。
※会場は東京と大阪の2ヵ所、分野別に受講できます。 
東 京
日 時 2014年7月11日(金)10:30~17:30
会 場 文化ファッションインキュベーション Space A-C
(渋谷区桜ヶ丘町23-21 渋谷区文化総合センター大和田10-11F)
大 阪
日 時 2014年7月18日(金)10:30~17:30
会 場 大阪マーチャンダイズマートビル(大阪市中央区大手前1-7-31)
主 催 日本流行色協会 (詳しくはこちらから)
2014年秋冬メンズファッション海外トレンドレポート
インテリアやプロダクトも含め、男性のライフスタイルカラーはファッションにあり!
JAFCA初のメンズセミナーです。 
日 時 2014年5月9日(金)15:00~16:30
講 師 鈴木 康久 (株式会社 東武百貨店)
会 場 日本流行色協会会議室 (千代田区神田神保町)
主 催 日本流行色協会 (詳しくはこちらから)
色彩文化の東西
その国にはその国の風土の色や宗教の色、文化の色があります。
講座では、東西の色彩の歴史をひもときながら、色彩文化を形成するさまざまな項目ごとに色の相違や共通点を学んでいきます。
日 時 5月31日/6月14日/6月28日/7月12日/7月26日 13:30~16:20
講 師 城 一夫 (共立女子学園名誉教授 )
会 場 共立女子大学・女子短期大学 神田一ツ橋キャンパス
主 催 共立女子大学・女子短期大学 共立アカデミー (詳しくはこちらから)
プレゼント

 【1】3名様に:「新装改訂版 日本のファッション―明治・大正・昭和・平成 Japanese Fashion 1868-2013」:城 一夫・渡辺明日香・渡辺直樹/共著 青幻舎/発行:1,500円(税別)    日本のファッションの変遷がひと目でわかる。流行色、年表も記載したファッション・バイオグラフィーです。 めまぐるしく変化するモードの特徴をとらえ、ディテールまで再現したイラストは、当時の流行を手に取るように伝えます。ファッション、色彩、時代研究、イラスト・カットの参考など、あらゆるジャンルの資料として必携の1冊。
 新たに2010年代のイラスト30点を追加し手軽な「文庫サイズ」として刊行しました。巻末には「日本の流行色」一覧も掲載されています。 (書籍紹介ページはこちらから)

【2】2名様に:「日本のファッションカラー100―流行色とファッショントレンド 1945-2013」:一般社団法人 日本流行色協会(JAFCA)/著 株式会社ビー・エヌ・エヌ新社/発行:2,800円(税別)

 本書は、1945年から現代までの、流行色とファッショントレンドの潮流を100のキーワードにまとめ、当時を蘇らせるイラストとともに紹介したものです。
   「流行色」は、ファッションの流行というだけでなく、経済動向、社会現象から、音楽、映画などのカルチャーまで、時代の流れと密接に関係しているものです。60年間流行色情報を発信し続けてきた日本流行色協会(JAFCA)が、流行色やファッションスタイルのディテールはもちろん、社会現象との関係までつぶさに解明します。
   流行色の流れを8つのステージに分類し構成、巻頭では全体を俯瞰しながら、流行色の変節点や派生の仕方などを変遷年表としてまとめています。(書籍紹介ページはこちらから)

【3】3名様に:季刊「流行色」2014年春号 No.576:一般社団法人 日本流行色協会/発行:定価18,000円(税別・年間購読のみ4冊分)

   季刊「流行色」は、カラートレンドの専門誌です。ファッションのみならず、工業製品、インテリア関連、メイクアップなど、さまざまな分野の先行きのトレンドカラー予測情報を中心に、世界で開催されるデザイナーズコレクションや、各種展示会のカラー動向や、実市場におけるカラー分析など、色に関する情報を掲載しています。カラーのプロになりたい方、いち早く時代の方向性をつかみたい方にとって貴重な情報源になります。
   通常は年間購読制をとっていますが、今回特別に3月に発行された「流行色」2014年春号No.576を、抽選で3名様にプレゼントいたします。ぜひご応募ください。

【4】1名様に:江戸切子のグラス

   新連載「カラーの最前線を歩く」で、今回取材させていただいた「すみだ江戸切子館」(廣田硝子株式会社)でつくられたグラスをプレゼントいたします。
   美しい赤の硝子にくっきりとカッティングされた模様の立体感が魅力です。

【5】3名様に:ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 招待券

   「色とアート」でご紹介した展覧会のチケットをプレゼントいたします。

プレゼントのお申込み方法

郵便番号、住所、氏名、電話番号、メールアドレス、希望のプレゼント番号、CLUB PALETTEの感想を明記の上、件名を「CLUBPALETTE プレゼント応募」として、東京商工会議所 検定センター CLUB PALETTE 事務局宛に、メールでご応募ください。

・応募用アドレス palette@tokyo-cci.or.jp
・締め切り:2014年5月16日(金)
・当選の発表は発送をもってかえさせていただきます。

検定試験情報
2014年度試験日程について
今年度の試験日程は次のとおりです。 現在、第36回の申込登録期間中。ぜひ挑戦してみてください!
第36回 カラーコーディネーター検定試験   日程:2・3級
第37回 カラーコーディネーター検定試験   日程:1・2・3級

⇒詳細はホームページにてご確認ください。

第37回 カラーコーディネーター検定試験   日程:1・2・3級

1級1分野「ファッション色彩」公式テキストは、2014年3月11日に「第3版」を発行しました。2014年度試験より1級1分野「ファッション色彩」につきましては、「第3版」公式テキストに掲載されている知識と、それを理解したうえでの応用力を問います。

○発行日:平成26年3月11日発売
○価格:本体価格7,500円+税(水)

⇒新テキストの詳細は、ホームページにてご案内いたします。

カラーコーディネーター検定試験1級 過去問題集「2013・2012・2011」の発行のお知らせ:
1級過去問題集「2013・2012・2011」は、2014年4月に発行する予定です。

1級過去問題集「2013・2012・2011」は、2014年4月30日に発行いたします。

○発行日:平成26年4月30日
○価格:本体価格2,000円+税

⇒過去問題集の詳細は、ホームページにてご案内いたします。

事務局通信
カラーコーディネーター検定試験

 2014年度のカラーコーディネーター検定試験の受験要項(パンフレット)が完成しました。
   今年度のパンフレットも水玉の配列ですが、ビビッドな色使いで華やかなパンフレットになりました。
   専用フォームから取り寄せることができますので、入手ご希望の方はこちらからお申し込みください。

団体受験のお申込も可能です。
http://www.kentei.org/color/mousikomi-d.html

Club Palette Vol.27
東京商工会議所 検定センター Club Palette 事務局
http://www.kentei.org/

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