
《愛万歳》(ポスター) 1990年
Yoko増田静江コレクション/© 2015 NCAF, All rights reserved.

《白いダンシングナナ》 1971年
Yoko増田静江コレクション/撮影:林雅之/© 2015 NCAF, All rights reserved.

《クラリス》 1969年
Yoko増田静江コレクション/撮影:黒岩雅志/© 2015 NCAF, All rights reserved.

《ビッグヘッド》 1970年
Yoko増田静江コレクション/撮影:林雅之/© 2015 NCAF, All rights reserved.

ニキ・ド・サンファル(ポートレート) 1983年
Yoko増田静江コレクション/撮影:黒岩雅志/© 2015 NCAF, All rights reserved.
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ニキ・ド・サンファル(本名カトリーヌ・マリー=アニエス・ファル・ド・サンファル、1930―2002)は、戦後を代表する美術家のひとりです。フランスに生を受けたニキは、少女時代を過ごしたアメリカや母国フランスの抽象絵画に影響を受けるなど独自のスタイルを作り上げていきました。そして、1961年に発表した「射撃絵画」で一躍その名が知られることになります。絵具を入れた缶や袋を石膏によって画面に付着させ、それに向けて銃を放つことで完成する「射撃絵画」は、絵画と彫刻の両方の要素を兼ね備え、また制作行為そのものがパフォーマンス・アートの先駆例として美術史上高く評価されています。
ニキは「射撃絵画」で注目を集めたのち、1964年ころ当時の最新の素材であったポリエステルと出会うことによって、独特な柔らかなフォルム、鮮やかな色彩の彫刻を次々と生み出しました。そして、ニキは女性の表象への関心を強め、「ナナ」シリーズでは鮮やかな色彩と伸びやかな形態を用いて開放的な女性像を示し、今日まで多くの人々に愛されています。
このほかにもニキは舞台や映画の制作を手がけ、また「タロット・ガーデン」と称する彫刻庭園に代表されるように建築デザインにも積極的に取り組み、美術家として様々な活動を展開しました。
豊かな色彩、様々な表情を見せる素材の扱い。その自由さ、柔軟さはニキの大きな魅力でしょう。
また、栃木県那須高原に建てられたニキ美術館創立者の故Yoko 増田静江氏と交流を持ち、日本と特別な関係を築いてきたことも知られています。(ニキ美術館は2011年に閉館しています)
2014年秋にパリのグラン・パレで開かれた大規模な回顧展は、約60万人をも魅了し、再評価の機運が高まっています。ニキの生誕85年目に開催される今回の展覧会は、日本初公開の貴重な作品を含め、出品数は100点を超え、国内史上最大規模の大回顧展です。初期から晩年の創作活動、そして日本との関わりと、その豊かな芸術世界を見ることができます。

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3組6名様に本展覧会のご招待券をプレゼントいたします。詳しくはプレゼント欄をご参照ください。
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