SDGsを学ぶならeco検定!合格者に聞く受験のメリットと勉強方法
イオンモール株式会社 Tさん
イオンモール株式会社 Kさん
カネパッケージ株式会社 Sさん
eco検定(環境社会検定試験)®に合格した3名の方に、実際の勉強方法や、業務で活かせた点、役立った点などについてお話を伺いました。
合格者のみなさんのプロフィール
Tさん
イオンモール株式会社(以下、イオンモール)のバックオフィスにて、全社の環境活動、社会貢献活動等の推進を行うESG推進部署に所属。2015年にeco検定合格。
Kさん
首都圏エリアにあるイオンモール運営施設の営業サポートを行う。また、同エリアのESG担当者。2020年にeco検定合格。
Sさん
梱包材製造販売・物流メーカーのカネパッケージ株式会社(以下、カネパッケージ)で営業活動を行う。2021年にeco検定合格。
インタビュアー
みなさんの現在のお仕事について教えてください。
Tさん
私はイオンモールのESGを推進する部署に所属して3年になります。
全国の商業施設の社会貢献・資源循環の取り組みの推進などを担っており、社内のeco検定取得推進にも取り組んでいます。
Kさん
私は首都圏エリアにて当社が運営する商業施設の営業サポートを行っています。
また、首都圏エリアのESG担当者でもあり、在籍する東京オフィス内のeco検定取得推進も注力している取り組みの1つです。
Sさん
私は、梱包材の製造販売や運送業を行うカネパッケージの営業担当です。
弊社に限らず、梱包業界全体では梱包材のプラスチック使用や、梱包材の重量・体積による輸送コストの増大、製造した梱包材の多くが使用された後にリサイクルされずに捨てられてしまうなど、環境負荷への課題を長らく抱えています。
そこで、弊社では梱包の省資源化や植林活動への寄付、さらに他業界の企業とタッグを組んでリサイクル資源を使用した梱包材を開発するなど、私も含めて社内全体で環境問題に取り組んでいます。
インタビュアー
みなさんがeco検定を受験したきっかけは何ですか?
Tさん
上司や同僚にeco検定の受験をおススメされたことがきっかけです。
私が入社する以前より全社でeco検定取得が推奨されており、それも受験理由の1つですが、何より「業務でも日常生活でも役立つから」という周囲からの言葉があり、自分も受験したいと考えるようになりました。
Kさん
私も、社内でeco検定が推奨されていて興味を持ちました。またeco検定のテキストを見て、「これからのビジネスパーソンには、環境問題への知識や配慮が求められるのではないか」と感じたため受験しました。
Sさん
私が入社したときには、弊社でも既に多くの社員がeco検定を取得していました。
弊社は環境保全への取り組みを強みとした企業なので、営業活動をする上でもまずは環境問題について知ることが大切だと思い、受験を決めました。
インタビュアー
eco検定合格までの勉強期間・勉強時間を教えてください。
Tさん
eco検定の試験2カ月前から1日30分間勉強しました。夜遅い時間や短い時間であっても、毎日コツコツ勉強を続けて知識を積み重ねることを意識しました。
Kさん
私も試験2カ月前から勉強を始めて、毎日コツコツというよりは週末に数時間まとめて勉強時間を取るようにしました。
Sさん
私はなかなか勉強時間が確保できず、試験の数日前から1日数時間、追い込みで勉強しました。かなり短期間での勉強になりましたが、以前に少しeco検定の勉強をした際の知識や環境問題に関してこれまでに業務で得た知識があったので、なんとか合格することができたと思います。
インタビュアー
eco検定合格のためにどのような勉強をしましたか?
Tさん
公式テキストと公式過去・模擬問題集を使用して勉強しました。
テキストでは幅広い内容が体系的にまとめられているので、環境問題の全体像を掴むことができたように思います。
また、公式過去・模擬問題集も解説が詳しく掲載されていて、解説部分を読むだけでも勉強になりました。
ただ、カタカナの用語や略語の暗記が大変だったのを覚えています。公式テキストを何度も読んだり、公式過去・模擬問題集を繰り返し解いたりして、なんとか似た単語を整理し、知識を定着させることができました。
Kさん
私も基本的には公式テキストを読んで勉強しました。
工夫した点としては、勉強中に分からない単語・気になる単語が出てきたら、ネットや他の本でその単語に関する情報を集めて、1つの単語から知識を広げられるようにした点です。
個人的には、環境アセスメント制度の承認の流れや環境にまつわる法律、世界の環境条例などをなかなか覚えられずに苦戦したのですが、制定の流れや歴史を調べたり、身近で関連する事例を探したりすることで理解を深めました。
最終的には、「試験本番でこんな問題が出るかも」とイメージできるくらいしっかりと試験対策をして、自信を持って試験に臨むことができたと思います。
Sさん
短期間で効率的に勉強したかったこともあり、先に公式過去・模擬問題集を解いて、分からなかったところを中心に公式テキストを読み返しました。自分が得意な部分や配点が高い部分は確実に点を取りたかったので、重点的に勉強したのも功を奏したようです。
一方で、Tさんと同様にカタカナの用語や略語は難しく、和訳や歴史的な背景と併せて覚えるように心掛けました。
インタビュアー
勉強をしていて、特に興味深かった点はありますか?
Tさん
環境問題と一言で言っても、いざ学んでみるととても幅が広いことを知って驚きました。職業柄、環境問題が身近な話題だったこともあり、日常生活や業務に結びつけながら新しい知識を学べる点が興味深かったです。
Kさん
新しく改訂された公式テキストと4~5年前の公式テキストを見比べる機会があったのですが、内容がかなり改訂されていて驚きました。
改訂の量からも、環境問題をめぐる状況が日々激しく変化していることや、環境問題が世界的にも注目度の高いトピックなのだと再認識することができました。
Sさん
個人的には、環境問題がこれまでの歴史でどのように扱われてきたのかという点や、世界ではどのような環境保全活動が行われているのか、加えて、各環境会議でどのような取り決めがされてきたのかという点が面白く、夢中で公式テキストを読み進めてしまいました。
また、SDGsの背景や2015年にSDGsが採択されるまでの流れを学んだことで、環境問題と貧困問題、人口増加問題などさまざまな社会課題が複雑に関わり合っていると知り、とても興味深く感じました。
インタビュアー
eco検定の勉強で業務に役立った点を教えてください。
Tさん
入社後、私はまず店舗配属となったのですが、はじめの数カ月間は、社内で決められた細かいごみの分別方法や省エネの慣習に慣れるのが難しかったのを覚えています。
そのようなとき、eco検定の勉強をきっかけに一つ一つの決まりや慣習がどのように環境保全につながっているのかを理解し、少しずつ業務に慣れることができました。
また、現在の部署に異動してからも環境問題について新たな知識を学ぶ際や、環境に関する取り組みを検討する際にもeco検定で培った知識が土台になっていると感じています。
Kさん
私は、生物多様性や自然共生社会についての取り組みを深く学べたことが大きな収穫だと思っています。
eco検定の勉強では、私たちの暮らしが空気や水、食べ物、生活資材など、自然環境の生み出す恵みによって支えられていて、それを生み出しているのは多様な生物と、その生物が住める環境であると改めて学ぶことができました。
この知識はショッピングモール運営業務や、ESG業務に欠かせないものだと感じましたし、社内の環境保全活動の普及に対してもモチベーションが高まりました。
Sさん
近年は営業活動をしていても、環境保全への意識が高いお客様が増え、ESG経営・ESG投資の考え方も浸透してきていると感じます。
そういった中で、弊社の1年間の環境保全活動やeco検定合格者の人数をまとめたCSR報告書をご案内したり、環境に配慮した商品をご紹介すると、大変評価していただけます。
また、梱包材の製造販売では、直接お取引のあるお客様の先にさらに梱包材を受け取るエンドユーザーがいることがほとんどです。
お客様が環境問題についてあまり意識していない場合には、プラスチック製品の使い捨てが避けられている現状や、梱包材を受け取るエンドユーザーの心象などを説明しており、そういった点でeco検定の知識や、合格実績が役立っています。
インタビュアー
eco検定を受験して、行動や意識に変化はありましたか?
Tさん
業務では、社内で決められているごみの分別方法や省エネの慣習を他の方に話すときに、例えば細かくごみを分別することで再使用(リユース)や原材料としての再利用(リサイクル)ができるごみの割合を増やせること、電気の省エネが原油使用の抑制につながることなども交えて伝えられるようになりました。
ただ「どうすればいいか」だけを教える場合よりも、その決まり・慣習にある背景や「その行動にどのような効果があるのか」を伝えることで、環境保全への意識を共有できたと思います。
日常生活では、マイボトル・マイバッグを持ち歩くようになり、できるだけ歩いて移動することを心がけるようになりました。
Kさん
私は、プラスチック削減のために詰め替え用が販売されている洗剤やシャンプーを選ぶようになりました。
また、eco検定の勉強から知識を得たことで、環境問題に関するニュースへの関心が高まったと思います。今でも自分で本を買って読んだり、ネットで環境問題について最新の状況を調べたりと、積極的に情報を集める習慣が身に付きました。
一方で、環境問題について知れば知るほど、まだ自分たちが着手できていない課題の多さを実感しています。
Sさん
私も社内のeco検定合格者の一人となったことで、環境問題に関して共通の知識を同僚たちと共有できる上、営業担当者としての視点から感じたこと・考えたことを自分の言葉で発信できるようになりました。
私自身、eco検定を受験して環境問題やESGをより身近に感じることができたので、取引先の企業で環境問題に関心がある方にはeco検定の受験をおススメしています。
業務以外でも、近所の買い物は自転車で移動するようになったり、冷暖房の節電を意識するようになりました。
さらに、これまでは家族でそれぞれ500mLのペットボトル飲料を購入していたのですが、最近はペットボトルの使用量を減らすために2Lのペットボトルを購入して、各自がマイボトルに移し替えるようにしています。
インタビュアー
ずばり、eco検定の勉強や受験をするメリットは何でしょうか?
Tさん
eco検定の勉強は、マイバッグ持参や紙ストローの普及など、社会で広がりつつある環境保全の取り組みの背景を知るきっかけになります。
環境に関する知識を得たことで「なぜその取り組みが必要なのか」「これから自分が何をすべきか」、「一人ひとりの行動がどんな効果をもたらすか」を深く考えることができました。
弊社では今までに国内全社員の約82%がeco検定を取得していて、「eco検定は日常生活・業務の両方に活かせる」という声も挙がります。ぜひみなさんにもeco検定を受験していただきたいです。
Kさん
幅広い分野が体系的にまとめられたeco検定は、世界の環境問題について最新の知識を得られる近道だと思います。
ここ数年でSDGsやESGといった環境保全のキーワードを当たり前のように耳にするようになり、環境問題の知識がビジネスでも重要になってきました。そのような中で、eco検定は環境保全のためだけではなく、ご自身のスキルアップのためにも活用していただけるはずです。
Sさん
eco検定の公式テキストを読むだけでも、環境問題を「自分ごと」として捉えられるようになると思います。私自身も、公式テキストを読んで環境問題への意識が大きく変わりました。
地球に住んでいる以上、環境問題は誰一人避けて通れない重要課題で、それぞれの心がけが環境問題解決の鍵になっていくのではないでしょうか。みなさんにも、まずは公式テキストに目を通していただきたいです。
取材日:2021年12月22日 引用:日本の資格・検定