丸紅グループ45社の審査担当者が集まる「紅審会」で勉強会を開催
丸紅株式会社 リスクマネジメント部 事業リスク審査
野村 瞬さん
丸紅紙パルプ販売株式会社 管理本部 審査部 審査課 課長補佐
2015年度2級合格
深澤 健太郎さん
インタビュアー
勉強会を開催したきっかけを教えてください
野村 瞬さん(丸紅株式会社 リスクマネジメント部 事業リスク審査)
丸紅グループでは45社の審査法務担当者が集まる「紅審会」という組織があります。そこでは定期的に外部講師を招いた講演会や勉強会を開催しておりまして、私は昨年まで、この紅審会の運営を担当しておりました。紅審会は180名ほど(丸紅本体除く)の審査担当者が所属しています。
勉強会を企画・開催するにあたり、会員に個別ヒアリングしたところ、「債権保全・回収」を中心に、「実務に役立つような法務関連の勉強会を実施してほしい」との声が多く寄せられました。私自身、ビジネス実務法務検定試験(ビジ法)の合格者でもあり、実務に役立つ知識を習得できる検定試験だと認識していましたので、私が講師となり勉強会を開催することとなりました。 対象は紅審会の全会員。「ビジ法習得に意欲がある方」で、2015年度は、7月試験を目指す2級及び3級の講座(4月~6月)、12月試験を目指す2級の講座(9月~11月)を実施しました。
インタビュアー
講師をするうえで、意識したポイントはありますか?
野村さん
テキストと問題集を読み込むことです。
過去問で出題された論点について、テキストに付箋を付けて、各学習項目の重要度を分析したり、 講義のポイントとなる箇所、テキストを読んだだけではわかりづらい箇所を事前に洗い出しておくなど、参加者が理解しやすくなるような工夫を凝らしました。
2級テキストは結構なボリュームがありますので、要点を押さえることを意識しました。
インタビュアー
勉強会の成果はどうでしたか?
野村さん
3級4名、2級は計11名(うち1名は2級取得済)の参加となり、最終的には4名が3級に合格、4名が2級に合格しました。
インタビュアー
実際に勉強会に参加し、2級に合格された深澤さんにお話をお伺いしたいと思います。
深澤 健太郎さん(丸紅紙パルプ販売株式会社 管理本部 審査部 審査課 課長補佐)
現在、私は審査部で取引先の与信管理を行っております。取引の安全を目指し、取引先の調査、査定を行ないます。査定の判断材料となるのは、「営業部からの情報」「調査会社からの情報」「決算書等の財務諸表」で、これらを収集、分析、評価することで、取引判断を行ないます。その為には、「経理」、「会計」、「財務分析」の知識の他、「法律」の知識が必要となります。
元々、私は独学で3級に合格しており、2級受験は決意していたものの、受験を先延ばしにしておりました。そんな中、紅審会にて「ビジネス実務法務検定2級を取る!講座」の企画を知り、自らを奮い立たせて、参加を決めました。
インタビュアー
勉強するうえで、モチベーションの維持はどうされましたか?
また、試験勉強するうえでのコツなどありましたら教えてください。
深澤さん
勉強会という「学習しなければいけない環境」に身を置いたことが良かったと思います。まわりが勉強しているので、「やらなければ」という焦りが生まれましたし、何より、勉強会が学習のペースメーカーになりました。
また、学習時間を確保することも意識していました。勉強会の前の日に残っている業務を片づけたり、また、行き帰りの電車で勉強したりしていました。どんなに気分が乗らない時でも最低1問だけは問題を解くようにしていましたね。
知識を習得するには、「人から学ぶ」か「本から学ぶ」方法があると思いますが、「人から学ぶ」方法は、たとえ先生となる方がいたとしても、中々時間を割いて教えてもらえる機会を得るのは難しいと思います。「本から学ぶ」方法は読んでいる内は「なるほど」と思っても、ただ読み流しているだけで、知識として定着せず、またモチベーションが続かず、途中で読み終えてしまうこともあります。そんな中、検定試験においては試験日が決まっているので、そこから逆算して勉強計画を立てやすいですし、また自分の知識レベルに合わせて受験級を選ぶことが出来るので、無理なく、体系的に勉強できると思います。そして、なにより、実際に合格できた際は、勉強をした証として、達成感を得られることが大きいです。「合格」することが、直接の目標ではありませんが、「合格」を目指して勉強することが、結果的にベーシックな知識を習得できる、有効な方法になっていると思います。
インタビュアー
そして見事合格!おめでとうございます。
検定試験で得た知識は業務にどのように活かされているのでしょうか?
深澤さん
ビジ法で習得した知識は、債権管理や契約書を読む場合において、文字通り「実務法務」として直接活用できますが、それ以外では、例えば自部署と直接関係のない分野でも、「確かこの件って、テキストに解り易い表と、手続きの方法が書いてあったな…」といったように、テキストを読み返すことがあり、まさにテキストが「マイ法務辞書」のような存在になっています。
インタビュアー
最後に…今後の目標などありましたら教えてください
野村さん
個人的にはまだ1級を取得できていないので、どこかのタイミングで再チャレンジしたいと考えています。また、丸紅は海外案件が多いので、英米法や英文契約書を中心に、海外法務についても一定の知識を習得したいと思っています。
深澤さん
いずれ1級受験にもチャレンジしたいですが、今度は現業務に必要な会計の勉強を行い、知識を高めたいと考えております。 私は今回、この勉強会に参加させていただきましたが、この勉強会に限らず「紅審会」という場を、グループ企業の情報交換の場としてはもちろん、自己研鑽の場としても積極的に活用していきたいですね。