eco検定の広がり
エコピープル支援事業

エコピープル・アクションレポート

浅野 智恵美

消費生活から考え、行動変革へ

浅野 智恵美

愛知県

PROFILE

所属法人・役職
公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 消費生活研究所 主任研究員
愛知環境カウンセラー協会 理事
活動エリア
中部地域および全国
eco検定合格年
2006年10月(第1回)

01.自己紹介

 NACS消費生活研究所研究員、消費生活アドバイザー、環境カウンセラーとして自治体主催事業や小中高校、シニア大学などで環境講座を担当しています。講師として携わる「アイシン環境学習プログラム」は、第4回キャリア教育アワード地域企業協働の部で最優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞しました。

 環境コラム、消費生活論文などを雑誌、企業広報誌等に書いています。


 ・商品科学研究所主催研究論文最優秀賞(1992年)
 ・平成18年度地球温暖化防止活動(環境教育・普及啓発部門)環境大臣表彰
 ・NHK教育番組「どーする?地球のあした」で質問コーナーの回答者を1年間務める(2007年)
 ・平成20年エネルギー・コミュニケーター講師優秀賞
 ・第一回環境カウンセラー環境保全活動表彰で低炭素社会貢献賞(2019年)

「100年後を決めるのは今を生きる私たち」
この理念を大切にしています。消費者には商品を選べる権利と共に過剰消費に気をつける、限りある資源やエネルギー利用の仕方、生き物のことを考えるなど責任があります。未来世代に持続可能な社会を繋げていけるよう課題を共に考え、行動に移すお手伝いができましたら幸いです。

02.eco検定へのきっかけ

 環境カウンセラーの認定を2002年に環境省からいただきました。
暮らしと密接につながる環境問題に接する都度、消費生活全般に関する知識を深める必要性を感じ、2005年に消費生活アドバイザー試験を受けました。

 翌年(2006年)からeco検定が開始されると、報道で知りました。
世界的な環境意識の高まりに伴い、製品やサービスが環境を意識したものに変わりつつある今、環境問題の基本知識のベースを固める上で必須と感じ、第1回eco検定を受験しました。公式テキストを購入し、これを手元に置いて、学びを重ねる機会を得られましたことに感謝しています。

03.エコピープルとしての活動

 名古屋市主催学生討論会「ごみ問題を解決し循環型社会を実現するには?」で、「ごみ減量から始めるSDGs」についてお話しました。名古屋市インターネット生涯学習Webナビ「減らそう!食品ロス~環境に優しい生活をめざして」が公開されています。環境学習施設フォーラム「食品ロスなくそう大作戦 in とよた」では司会を担当。
エフエム愛知の環境番組「LET’S エコメンド」に出演し、COOL CHOICEを紹介しました。

FM愛知「Let’s エコメンド」

名古屋市インターネット学習「減らそう!食品ロス」

【実施している環境講座のテーマ】
 ・海に漂うプラスチックごみの削減を目指して-私たちにできること
 ・減らそう食品ロス「きちんと、ごちそうさま」で未来につなごう!
 ・どうする?地球の明日-ストップ温暖化教室
 ・あなたにもできる!省エネライフ
 ・水産資源保護と水産エコラベル-消費者の役割
 ・ハンバーガーから考えるSDGs-What’s earth burger?
 ・生物多様性と暮らしのつながり-地球の命つないでいこう
 ・エコパーティーへようこそ!-3Rで家庭のごみを減らそう
 ・エコライフすごろく体験で学ぶ-家族でエコ行動
 ・水と暮らしのつながり、節水大作戦!           など

【担当した環境、消費生活コラムなど】
 ・海洋プラスチックの削減に向けて
 ・HACCPと学校給食の牛乳パックリサイクル
 ・国際的な水産エコラベルの推進に向けた企業への提言-SDGsと消費者視点から
 ・自動車リサイクルのこれまでとこれから
 ・持続可能な環境経営をめざして
 ・フルーツ魚と魚食文化の伝承
 ・食品ロス削減に向けた取組
 ・兵庫県川西市の低炭素まちづくりと省エネ教室
 ・人材育成の重要性と次世代につなぐ環境社会を目指して-高校の環境学習
 ・節水の工夫
 ・すてき快適エコライフ
 ・米国のスーパーの商品販売形態と環境取組、消費者意識動向
 ・わが家の電気の健康診断/家庭の電気 イロハニホヘト
 ・和製コンビニエンスストアの躍進と日本文化
 ・環境ラベルの効果的な利用と消費者の役割
 ・環境変化による新たな病気の発生と私たちの健康を支える動植物
 ・こどもの日special、親子でチャレンジ!eco検定
 ・食料自給率、木材自給率の脆弱性と暮らしのつながり
 ・ハンバーガーに海のエコラベル商品、登場!          など

小牧市役所「あなたにもできる!夏の省エネ!」

一宮市役所「冬の省エネ」

栄徳高校「ハンバーガーから考えるSDGs」

みよし市立緑丘小学校4年親子
「エコパーティーへようこそ!」

みよし市立北部小学校
「エコライフすごろく体験!」

米国シンナシティ日本語補習校:高校・中学生 環境講演会

04.今後の活動計画

 環境講座を担当した際、最後に主催者が「今日はいいお話を聞きましたね。」と言われることがあります。これだけでは、確実な環境配慮行動への変革に結びつきません。

 講座の学びと知識を具体的な実践行動につなぐためには、主催者と講師が信頼関係を築き、目指すべきゴールを共有し、協働して講座や授業を成り立たせることが大切と考えます。主催者や先生方との事前打合せは、必須事項と捉え、丁寧に積み重ねていこうと思います。主催者のニーズに合わせてプログラム改良を重ね、パワーポイント資料やワークシートなどを随時見直し、工夫を行ってまいります。

 環境意識に基づく一人ひとりの意識変革と行動変化、買い物の選択は、地球環境や自然の恵みとの関係性を築き直すチャンスになり得ます。省エネ・低炭素型製品への買い替え、サービスの利用、ライフスタイルの選択など、「賢い選択と行動」がさらに進展しますよう願っています。

環境講座や環境・消費生活コラムなどを通して現状課題を伝え、持続可能な社会形成につなげていけましたら幸いです。

05.社会へのメッセージ

 機械、電子部品、自動車関連、プラスチック、食料品の包装など、製造業は材料変革が始まっていると感じています。一方、業績がよくなると産業廃棄物が増えます。仕事と環境は一体と捉え、不良品の発生を極力減らす取組はエネルギー・材料使用量を低減でき、作業効率を上げることができます。

 環境課題をビジネスチャンスと捉え、温室効果ガス排出量を削減するだけでなく、高機能素材や低炭素・省エネ製品の開発、国内外へ普及を進めることが求められています。家庭においても、省エネの更なる推進や画期的な省エネ製品、環境配慮車への買い替え、エネルギーの使い方や環境配慮消費行動が求められています。

 エネルギー、物質資源の制約や環境問題への関心の高まりを背景に、持続可能な環境経営と長期的な成長を目指す事業者は、未来に向けて動き出しています。生産効率を極限まで高める生産活動の導入や、高い水準の品質提供、優れた人材の確保、事業効率化、資金力の維持増強が益々重要となります。

 環境負荷増大や汚染を未然に防ぐべく、先進企業が保有する知見を生かして途上国へ技術や資金援助、適切な廃棄物管理などに貢献していくことが必要と考えます。

 環境負荷低減に向けた取組を応援していきたいと思います。

06.eco検定受験者、学生へのメッセージ

 国際標準であるISO14001やエコアクション21(EA21)などの環境マネジメントシステムの導入を、企画競争や入札参加資格審査の重点評価項目としている自治体が多数あります。EA21はガイドラインに基づき、中小事業者等の環境取組を効率的に促進するため、環境省が策定した環境マネジメントシステムです。事業者は環境負荷低減だけでなく経費削減や生産性、歩留まり向上等を実現しています。

 一方、プラスチックはペットボトルから家庭用品など、日常生活のあらゆる場所で利用されています。軽くて丈夫、持ち運びしやすい、様々な製品に加工しやすいなどのメリットがあり、世界中で多様な製品に使われています。しかし、海洋プラスチックごみが世界課題となっています。暮らしの有り方を見つめ直す時に来ていると感じます。

 総合的な環境知識を習得できるeco検定は、複雑・多様化する環境問題を幅広く体系的に身に付く「環境教育の入門編」。基礎を習得できます。環境部署に限らず幅広い業種・職種の方や、これから社会に出て活躍する学生さんにお薦めです!

※この情報は2020年10月23日時点での内容です。