eco検定の広がり
エコピープル支援事業

エコユニット・アクションレポート

赤穂高校探究活動プロジェクト

未来に討ち入れ!エコで切り拓く赤穂の志

赤穂高校探究活動プロジェクト

兵庫県

PROFILE

所属
兵庫県立赤穂高等学校 教頭
活動エリア
兵庫県赤穂市
eco検定合格年
2025年(第38回)

01.ユニット・高等学校紹介

赤穂高校は、令和7年度より、新類型(学習コース)である「地域みらい探究類型」をスタートさせました。
この類型を選択した生徒達は、地域が抱える課題を見つけ、その解決に向けて地域の方の協力を得ながら、取り組んでいます。

生徒自身が自分で問題を設定し、その解決に向けて行動する学習活動「探究活動」の中で、生徒が自ら考え主体的に授業に取り組む場面を作ることで、その他の授業においても生徒が主体的に授業に取り組める学習風土を醸成することを目的としています。

 

02.eco検定へのきっかけ

探究活動の中で、生徒達は、地域の課題解決をテーマとして、様々なテーマを選定してきました。
赤穂高校は、海のすぐ側に位置する学校であるため、環境をテーマとして選定する班が多く、その指導を行う上で、環境知識を身に付ける必要性を感じたためeco検定の受験を決めました。
eco検定の中で、取り上げられている情報は、世界規模の出来事から、身近な出来事まで系統立てて整理されており、生徒への指導において非常に有効な知識体系であると感じています。
検定合格を経て、環境問題への理解が深まったことで、生徒達の疑問により的確に答えられるようにもなったと感じています。

また、教員が率先して学ぶ姿勢を示すことで、生徒たちにも主体的に学ぶ意欲が芽生え、より深い探究へとつながっていると感じています。
今後も教員と生徒が共に学び、地域社会に貢献できる実践的な環境教育を推進していきたいです。

03.エコピープル/エコユニットとしての活動

エコバッグプロジェクトと題して、地元の小学生を集めて廃棄予定の傘をリサイクルしてエコバック制作に挑戦しました。
レジ袋の有料化に伴い、エコバッグが普及していますが、実は市販のエコバッグ製造にはレジ袋の150 倍もの温室効果ガスを排出することが分かりました。
廃棄予定の傘の布を再利用して、エコバッグを作ることにより、小学生たちの環境への関心を高めるとともに、身の回りの当たり前を疑い、SDGs の解決を意識するきっかけとなることを期待したイベントで、30 人限定で募集申込を始めましたが、想像以上の応募があり、小学生たちの関心の高さを感じました。
大変ではありましたが、指導する高校生にとっても良い刺激となりました。


フードドライブを用いた地域貢献と題して、赤穂市内のフードドライブについて調査し、その主催団体である「あこうフードドライブ」と連携し、フードドライブの存在を周知する取り組みにも挑戦しました。
SNSや、学校行事等での声かけ等現状できることに取り組みましたが、市内全体へフードドライブの取り組みが知られるところまでにはまだ至っていないため、回収BOXをより多くの場所に設置するなど、赤穂高校として継続して、フードドライブの周知に取り組んでいきたいです。


04.エコピープル/エコユニットとしての今後の活動計画

「赤穂×コノヒトカン【地域の恵みを心を込めて】」と題して、世界一あたたかい缶詰「コノヒトカン」を使ったおにぎりを、赤穂市に一番人が集まる「義士祭」にて提供する取り組みを実施します。

「コノヒトカン」とは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食材を事業者から買い取り、長期保存が可能で手軽に食べられる缶詰を作り、子ども食堂や児童養護施設に配布する取り組みです。
赤穂高校はこの「コノヒトカン」の取り組みに賛同し、義士祭において、コノヒトカンで作ったおにぎりをお客さんに提供することで、このフードロスや貧困に対する取り組みを周知する計画を立てています。

05.社会へのメッセージ

赤穂高校では、地域の課題を自分事として捉え、解決に向けて行動する生徒を育てることを目指しています。
エコバッグ制作、フードドライブ、コノヒトカンといった取り組みは、生徒達が地域社会とつながり、持続可能な未来を創造する一歩であると考えています。

海に面した赤穂市は、環境問題と向き合う必然性が高い地域です。生徒達は探究活動を通じて、地球規模の課題と地域の課題が密接につながっていることを学んでいます。
若い世代が環境意識を持ち、具体的な行動を起こすことで、地域全体に変化の波が広がると信じています。

私たちは、これからも地域と協働し、環境保全と社会貢献を両立させる活動を継続していきます。
赤穂高校の挑戦が、他の学校や地域の参考となり、持続可能な社会の実現に少しでも貢献できれば幸いです。

06.eco検定受験者、学生へのメッセージ

eco検定の学習を通じて、環境問題は遠い世界の話ではなく、私たちの日常生活に直結していることを実感しました。
検定で得た知識は、探究活動の指針となり、生たちへの指導にも大きく役立っています。

学生の皆さんには、環境問題を「知る」だけでなく、「行動する」ことの大切さを伝えたいと思います。
赤穂高校の生徒たちは、検定で学んだ内容を地域の課題解決に活かし、実践的な活動を展開しています。
小さな一歩でも、仲間と共に踏み出せば大きな力になります。

eco検定の受験を考えている皆さん、ぜひチャレンジしてください。
得られる知識は、学校生活だけでなく、将来のキャリアや人生においても必ず役立ちます。
私たち教員も、生徒と共に学び続ける姿勢を大切にしています。一緒に持続可能な未来を創っていきましょう。